カテゴリ: 艦船模型スペシャル掲載作品

艦船模型スペシャルとの歩み(その4)

1/144スケールで隼鷹の艦橋を作った時、参考のためにタミヤの1/700「隼鷹」を買いました。

あくまで参考のためでしたので作る気はなく、用が済めば押入れの奥にしまい込んでその存在すら忘れていました・・・。

ある日別の探し物をしている時、久しぶりにそのキットを見つけて懐かしくなり「これを使って何かジオラマが作れないかな?」と思いを巡らせて考え付いたのが「戦後に解体される隼鷹の姿」でした。

この作品は2020年5月発売の
No.76号に掲載していただきました。

a

この号の特集は
「演出して魅せる艦船模型ジオラマの世界」でした。

私としては初めて特集内容にマッチした作品となりました。

0

それでは今回もこの作品製作に関わるお話をしていきます。

「空母の格納庫を何とかして見せることは出来ないか?」という長い間の疑問が解決できる唯一の方法として行き着いたのがこの解体シーンでした。

それでは完成作品写真をブログから数点ご覧ください。

b

c

d

e

隼鷹は終戦まで生き残り、実際に解体されて除籍されました。もうこれを再現するしかない!と決めて製作をスタートしました。

まずはキット船体のモールドや突起部分を全て落としてツルツルに仕上げます。

1

そして今回最も拘って見せたい格納庫壁を出来るだけ丁寧に作りました。

2

特に艦尾付近はかなり解体が進んでいるという仮定にしていますので思い切って内部を見せることが出来ます。

3

塗装すると分かりやすいでしょうか?

4

艦橋はこのように煙突やマストはすでに撤去された状態にしてみました。

5

半分ほど残った飛行甲板を乗せるとこうなります。

6

エレベーターの昇降台は撤去済みですのでその下の巻き揚げ機がモロ見え状態となります。

7

実際の「JUNYO」の文字はヘロヘロのテキトー描きでかわいそうでしたのできちんとマスキングしてしっかり記入することにしました。

9

マスキングを剥がすとこうなります。満足です!!

10

飛行甲板の前端はかなり撤去が進んでいます。甲板下の補強構造がムキ出しになっています。

11

撤去した昇降台はこの辺に置きましょうか・・・。

12

木甲板を一枚づつ剥がしている様子を表現しました。

13

剥がした木材をまとめて脇に置くとなんかリアルですよね。

14

15

クレーンは有限会社和巧さんの「紙創りシリーズ」を使いました。これはめちゃくちゃ良く出来た製品でいっぺんで気に入りました!

16

同じように「紙創りシリーズ」から建屋を並べます。

17

隼鷹のシンボルのような斜め煙突は撤去して・・・。

18

このクレーンで吊り下げてみました。

19

建屋もそれらしく塗装してみました。

20

撤去すると相当量の瓦礫が出ます・・・。

これらは使わなかったパーツや過去のジャンクパーツを寄せ集めてこのように山積みしました。

21

ひっぺがした飛行甲板は裏返して端の方に置いてみました。なかなか哀愁をそそりますね・・・。

22

空母の格納庫内部を自然に見えるようにするためには建造中か解体中しかないので、この隼鷹という素材はうってつけでした。

検証のしようのない自由度の高い作品でしたので最後まで作っていて本当に楽しかったです。

これで第四回「艦船模型スペシャルとの歩み」を終わります。

また次の掲載作品紹介をお楽しみに。

000






人気ブログランキング参加中です。宜しければクリックお願いします。

艦船模型スペシャルとの歩み(その3)

1/350スケールで空母「伊吹」を作ろう!そう思ったのはある書籍でこのようなイラストを見つけたのがきっかけです。

IMG_0006

完成予想図とはいえここまで具体的に艦橋構造が分かれば作ってみたいという思いを消すことは出来ませんでした。そして資料写真を揃えていざ製作ということになりました。

そしてこの作品は2019年11月発売のNo.74号に掲載していただきました。

この号の特集は
「日本海軍 重巡洋艦「最上・鈴谷」型と「伊吹」」でした。

no title

巡洋艦としての「伊吹」はちゃんと1/700作品が掲載されています。私の1/350空母「伊吹」は、まあ~関連作品ということで掲載されることになりました。

IMG_0007

それではブログから完成写真を3枚ご覧ください。

addaa7dd

99b1a56a

37b97e1c

それではこの作品の思い出と拘りポイントを振り返ってみます。

最初はフルスクラッチを考えていたのですが少しでも時間短縮を狙って船体だけはタミヤの1/350「三隈」のキットを利用しようと考えました。

さっそく船体を取り寄せて組んでみたのがこれです。

1

楽をしようと思ってキット船体を使ったのですが実はこれには落とし穴が有りまして。

黒丸で囲んだ部分は魚雷発射管の開口部ですがこれは伊吹には必要ありません。またその中間にある出っ張りはカタパルトの基部ですがこれも不要です。

さらに伊吹には「舷窓」は殆ど有りませんのでこれは全て塞ぐ必要が有ります。

2

結局これらの穴はパテではなくプラ板で塞ぐことにしました。カタパルト基部を切り取った跡も含めてこのように処理したのですがこれがもう大変な作業で時間が掛かりました。

3

こうして楽をするはずが思った以上に労力が重なりやっとのこと船体が完成しました。正直言ってフルスクラッチした方が楽かもと思ったほどです(笑)。

4

ただここからはグングンとペースアップしました。あっという間に上部構造物が建ち・・・。

5

スポンソンも単純形状なのでサクサクと進行しました。

6

ここまでの遅れを取り戻すかのように船体が完成!

7

次は艦橋です。慎重にパーツを切り出します。

8

丁寧に組み立てて・・・。

9

このように仕上げました。

10

クレーンも支柱以外はプラ棒を組んで仕上げました。

11

飛行甲板裏は空母模型のキモです。手抜きせずに作ります。

12

飛行甲板支柱とのマッチングが難しいんですよ。気をつけないと飛行甲板が反ったり左右に傾いたりします。納得いくまで調整します。

13

錨も自作します。プラ材をデザインナイフで削り出して作りました。

15

アンカーレセスにピッタリ入るように調整するのが大変ですよ。

16

こうして塗装前の準備は完了しました。

14

ここからは塗装です。まず艦橋から色を乗せてみました。

17

そして船体。これは対潜迷彩塗装となります。

18

さらに飛行甲板です。これは対空迷彩となります。デザイン的には架空ですがなかなかのお気に入りです(笑)。

19

飛行甲板塗装も完了です!

20

飛行甲板の裏側も丁寧に塗装しますよ。応急舵は船体横ではなく飛行甲板の裏に収納されます。
悲しいかな・・・ほとんど見えません(涙)。

21

飛行甲板上には単装機銃を置きました。この時期の日本空母は艦載機を発進させた後は「移動式単装機銃」を飛行甲板上に設置して敵機を迎え撃つ準備をすることが想定されていました。

ただこんなところで無防備に立つ銃手がかわいそうなので気休め程度ですが「土嚢」を置いてあげました(笑)。

22

こうして空母「伊吹」の船体は完成しました。

23

ここからは艦載機です。今回は搭載が計画されていた
「烈風」「流星改」を置いてみることにしましたが1/350スケールのこれらのキットが見当たらないという最悪の事態でした。

そこで「零戦」と「天山」で代用しようかとも思ったのですがやっぱり妥協できない!!という思いが強く、ここは無謀にも自作することにしました。

まず「烈風」です。プラ材とパテでここまで仕上げることが可能です(笑)。

24

これを3機作って塗装しました。

25

さらに「流星改」です。こんなふうにプラ材で基本形を作って・・・。

26

パテで肉付けします。

27

で・・・塗装!

28

「流星改」も3機作りました。

29

「烈風」と「流星改」を合わせて6機並べましたが実はもうこれが限界で飛行機作りに飽きてきた・・・というのが実情です(爆)。

こうして空母「伊吹」は完成しました。
史実では工程80%のところで建造中止となった未完成空母ですが模型ならこのように臨戦状態で再現できるというワケです。

実際に活躍した正規空母よりもこういう日の目を見なかった空母を豪華に仕上げる方が夢が有って好きだったりします。

これで第三回「艦船模型スペシャルとの歩み」を終わります。

また次の掲載作品紹介をお楽しみに。

000






人気ブログランキング参加中です。宜しければクリックお願いします。

艦船模型スペシャルとの歩み(その2)

1/144隼鷹艦橋で満足していれば良いのについ調子に乗ってしまい「もっとビッグスケールを!」と欲が出てしまったあの頃。

今度は空母「葛城」の艦橋を1/72スケールで作ってみようということになりました。

この作品は2018年9月発売の
No.69号に掲載していただきました。

この号の特集は
「日本海軍の中型空母を愉しむ」ということで「蒼龍」「飛龍」「雲龍」がクローズアップされました。

134143914


その流れの中で異色ですが葛城の艦橋もほんの少しお邪魔させて頂きました。

IMG_0002

それでは撮り溜めていた写真から4枚ほど完成写真をご覧ください。

1

2

3

4

いかがでしょう?見上げるとめっちゃ良い感じですよね(自分で言うか?)。

それでは前回と同じくこの作品のコダワリ部分を思い出しながら挙げてみたいと思います。

まずは1/72換算した図面の作成です。これは方眼紙を使いました。

ライターと比較してもその巨大さが分かると思います。

すでにこの時点で半分くらい後悔し始めているんですけど(汗)。

5

それでも1mmプラ板を丁寧に組んでいけばここまでは何とかノントラブルで到達出来ました。

6

問題はこの1/72というスケールです。細かい装備品についてはまずアフターパーツは販売されていませんので全て自作ということになります。しかも手抜きは許されず高い再現度が求められますので大変です。

それではプラ材を駆使してチマチマと自作した装備品の数々をご紹介します。

まずは双眼鏡です。

7

これでも今から思えばちょっと「甘い」くらいです。当時は必死でしたけど・・・。

これを(忘れたけど)いくつもいくつも作りました。毎日双眼鏡作って夢に出るくらいでした。

そして25mm単装機銃です。これも3個くらい作りました。

8

強烈だったのはこの25mm三連装機銃です。後部に1基だけだったから全集中して作りましたけど複数だったら絶対にイヤです(笑)。

9

そして探照灯。これは2つ。

10

そして光学機器のいろいろ。もうここまでくると一種の修行のようなもので「ナンボでも来い!」という気持ちでした。脳内麻薬が回っていたんでしょう。

11

そしてこれも・・・13号電探です。

プラ棒を組んで組んで組んで組んで、根性で仕上げました。

12

出来上がった電探をこれも自作したマストに取り付けたところ。

この姿を見るだけでそれまでの苦労は吹き飛びます。大なり小なりモデラーの皆さんは同じような感覚をお持ちなのではないでしょうか?

13

このスケールになると窓も大きいのでかなり羅針艦橋の内部が良く見えます。

そこで内部も最低限度の作り込みは必要ですね。こんな感じに仕上げました。

14

葛城は後部電探室が拡張されています。これが雲龍の艦橋との大きな違いなのですが、実は当時は詳細な図面が無く側面図からいろいろ考えて「これしかない!」と自己判断して作ったのがこれです。

15

で・・・その後ある書籍からこのような有難いイラストを発見!!。自分の作品と答え合わせをしてみると・・・。

16

おおお!!!ほとんど正解!!!

この時は飛び上がるほど嬉しかったですねー。

格納庫も一部ですが作りました。艦橋のすぐ横にエレベーターが有りますので無視できないんですね。

内部も(ほとんど見えないんですが)ガランドウというわけにはいきません。ある程度はそれらしく作りました。

17

補用のプロペラや増槽タンクを置くとちょっと雰囲気出ますよ。

赤いのは消火栓です。

反対側もこのように。

18

最後になりますが、軍艦旗については一番悩みました。

このスケールのデカールとか有りませんし、仮に有ったとしても絶対に破れそうです(爆)。

そこで呉服で使う「羽二重」という薄い生地を使っていわゆる「型染め」を行いました。

何度も失敗を繰り返してだんだんと要領を掴み、やっとこの仕上がりになりました!

19

難しいのは片面だけでなく表裏の両面に全くズレ無く染め上げることです。

こんな二度とやるかどうかわからない技術を身に着けてどうするんだ!?

こうして苦労の末に出来上がった軍艦旗を掲揚してみました。

20

紙に絵の具で色を塗ってもこうはならないんですよね・・・。

これは納得度の高い作業でした。

これで第二回「艦船模型スペシャルとの歩み」を終わります。

また次の掲載作品紹介をお楽しみに。

000






人気ブログランキング参加中です。宜しければクリックお願いします。

艦船模型スペシャルとの歩み(その1)

熊野丸の製作も終わって現在は工具のお手入れしたりしてのんびり過ごしています。しばらく充電して「作りたい」衝動が抑えきれなくなったらまた次回作に取り掛かろうと思います。

それまでの間ブログネタも無く、どうしようかな?と思っていたのですが前々から考えていた企画を連載していくことにしました。

有難い事に私はモデルアート社出版の「艦船模型スペシャル」誌に時々作品を掲載いただいています(感謝感謝)が、これまでの歩みをおさらいして一作づつ振り返ってみようという企画です。

今日はその第一回。私の(勝手に記念すべき)艦スぺデビュー作についてお話します。(笑)

掲載第一作目は2017年3月発売のNo.63号でした。特集は「日本海軍 飛鷹型航空母艦」でした。

1

この号で私は
「空母 隼鷹艦橋 フルスクラッチ 1/144」でデビューさせて頂きました。

2

空母「隼鷹」の艦橋部分を1/144というビッグスケールでプラ板スクラッチしたのですが、製作時はまさかこれが掲載されるなんて思ってもいませんでしたから驚きました。

写真も私が部屋で撮ってブログに掲載したものをそのまま使って頂いたのでまあ~~解像度の粗いものでした。今思えば恥ずかしいのですが「プロの方に撮ってもらっていたらどんな感じだったになってただろう?」と思うことしきりでした・・・。

以下はブログからの抜粋です。

3

4

5

作り始めてすぐに後悔しました。なにしろ巨大すぎるんですよ。

艦橋だけならまだ良いのですが、私は隼鷹の艦橋はその下部構造まで含めて一体と考えていますので必然的に飛行甲板や格納庫の一部まで作らざるを得ず当初のお遊び的計画がどんどん拡張していって最終的にはシャレにならないほどの大きさになってしまったというワケです。

艦橋や船体のほとんどは1mmプラ板を使っているのですが、あっという間に消費していって毎週量販店に「プラ板だけ」を買いに行くというパターンになってしまいました(爆)。
この時名刺に初めて
「プラバン消費量日本一の男」と入れたのを覚えています。

そもそもこの作品を作ろうと思ったきっかけはとても些細な事だったんですよ。
当時タカラから「1/144 世界の艦船 男たちの大和」というシリーズが有って何故かたくさん三連装機銃を持っていたんですね。「これを使って何か作りたい」と思いついたのが隼鷹の艦橋だったのです。

というわけで機銃は既製品を使いましたがその他は全てプラバンからスクラッチしました。

中でも最も力を入れたのがこの自作の9mカッターです。

6

う~~ん、これは自分でも「よく作れたなあ」と思うほどの仕上がりでした。

オールをまとめて、これも自作のダビッドに収めたのがこれです。

7

格納庫の中も作りましたよ。

あ・・・この零戦も既製品だった・・・(笑)。

8

エレベーターは巻き揚げの構造部まで再現しました。

1/144スケールでなければ無視する所でしょうね・・・。

9

艦橋は裏側のパイピングも省略できません。このスケールの恐ろしさです(爆)。

10

煙突も完全スクラッチ。

エッチングパーツとか全く有りませんので全て真鍮線を加工して取り付けています。

11

ついでに煙突は煙路まで再現しました。

これだけ見ると変な形ですが・・・。

12

艦橋の中に収めるとチラリと見えて雰囲気バツグン!!

13

以上この作品でのコダワリの部分をいくつか紹介しました。

この頃は空母の艦橋をビッグサイズで作って下から見上げて「おお~~!」とか言って喜んでいた頃でした(爆)。

今でも時々「また作りたいなあ~」とか思う時も有りますが全てのパーツを自作するという大変な根気と時間を要しますのでもう迂闊には手を出せない世界となっています・・・。

これで
第一回「艦船模型スペシャルとの歩み」を終わります。

また次の掲載作品紹介をお楽しみに。

000






人気ブログランキング参加中です。宜しければクリックお願いします。

↑このページのトップヘ