カテゴリ: 1/700 隼鷹

1/700 空母「隼鷹」解体作業ジオラマは無事完成となりました。 たくさんのアクセスありがとうございます。

今回は当作品の最後の製作日誌です。

全体写真だけでは伝わらない、作品に関する細かい部分をお話いたします。

まずこの画像をご覧ください。

IMG_8117

本来あるべき位置に菊花紋章が有りませんね。

これは想像ですが、帝国海軍を象徴するシンボルである菊花紋章は戦争が終わった時点で外されたものと思います。

建造時はかなり早い段階で取り付けられるものなんですが。

しかし外した菊花紋章はどうしたのでしょう?

瓦礫と一緒に処理・・・なんてことはなかったと思いたいのですが。

ちなみに主錨もすでに撤去しています。


次にこの「JUNYO」のアルファベット文字。

IMG_8118

これは我が師匠からのお話なのですが、戦後GHQによって描かされたものということです。おそらく直接ペイントしたのは日本人であろうと・・・。

もしそうならどんな気持ちで描いたのでしょうね?

実艦写真ではちょっとヘロヘロで殴り書きのように見えました。

img_1

これでは隼鷹が可哀想なので模型ではしっかりと丁寧に描かせて頂きました。


そしてこの実艦写真。

junyo02

模型でもこのように表現しました。

IMG_8121

ここは本来高角砲が有ったスポンソンです。終戦と同時に真っ先に武装が取り外されました。

ですので瓦礫の山の中に高角砲や機銃などの武装はありません。

解体が始まるずっと前にすでに取り外されていたからです。


ここは電動機室です。

IMG_8122

日本空母のエレベーターはこの電動機で制御されます。

解体のために昇降台が取り外されるとこの電動機室が丸見えになります。

解体模型以外では通常模型では再現される部分ではありません。

なお、昇降台が下に降りた状態では兵員が落下する危険性があります。

そこで落下を防止するためにエレベーターの周囲に柵欄柱というポールを立ててロープを張ります。これは手作業で抜き差しして行うようです。

一方アメリカ空母はエレベーターが降りると連動して柵が飛行甲板の溝から電動でせり上がってくる構造になっているようです。

このあたりはアメリカ軍が一歩勝っていたようですね。

ちなみにアメリカ軍では「エレベーター」、イギリス海軍では「リフト」と」呼ぶのだそうです。


次に格納庫です。

IMG_8128

隼鷹の場合は商船改造空母ですので格納庫の形状はとてもシンプルです。

でも凄いことに改造空母でありながら格納庫は二段式ということです。

それを表現したくて上段の一部の床を撤去して下段の存在をアピールしてみました。

余談ですが日本空母の格納庫はご覧のように完全に密閉空間となっています。

これは波風の進入防止や船体の強度には有効かもしれませんが一たび直撃弾が格納庫内で爆発すると爆風の逃げ場がなく最悪の場合、飛行甲板やエレベーターを吹き飛ばし致命傷となりかねません。


逆にアメリカ空母は舷側はシャッター式で必要に応じて開閉します。

庫内で爆弾が爆発しても爆風は開口部から逃げて直ちに消火作業にかかれます。

このダメージコントロールという点でも残念ながらアメリカに軍配が上がりそうです。

操艦で全て回避できれば問題ないのですが圧倒的な数の米軍攻撃機の波状攻撃はとても回避しきれるものではなかったでしょうね・・・。


最後に艦橋です。(0.3mmプラバンでスクラッチ製作しています)

IMG_8132

今回の作品で最も悩んだのがこの艦橋の有無でした。

実はここまで飛行甲板をひっぺ返した段階まで解体が進んだ場合、すでに艦橋は撤去されて存在しなかったのではないだろうかという事です。


実際の解体写真を見ても恐らくはその可能性が高いのです。

しかし模型でそこまで忠実に再現するともうこれが隼鷹なのか何なのか分からなくなってしまうのです。

隼鷹の特徴はあの巨大な艦橋です。そこであえて事実に反するかもしれませんが私は艦橋を残すことに決めました。

そしてシンボルである大きな斜め煙突をクレーンで吊り下げるという演出を取りました。

なんとかこれで自分を納得させようと思っていたのですが・・・。

ある日、ある方からこのような資料を教えていただきました。

これは米海軍空母「コーラルシー」の解体作業風景です。

b8aeed97dca919052b3527

ご覧ください、飛行甲板をこれだけ取り払っても艦橋はしっかり残っています。

これで希望が出てきました。まんざら可能性がゼロでもないのかなと(笑)。

以上で細部の解説を終わります。

空母「隼鷹」解体作業ジオラマの製作日誌はこれで完結です。

最後まで読んでいただいた皆様、本当にありがとうございました!

やっと完成しました~。

もともとは1/144で隼鷹の艦橋を製作したときに参考程度にヤフオクでゲットしたこのキット。

3463

結局はあまり参考にならず、作る気も無くそのまんま押入れの中で眠っていました。

そんな折、友人のヤマトさんから1/700日本空母用のエッチングセットをいただく事になり、これを無駄にしたくもなかったので押入れから引っ張り出して作ることとなったものです。

ただ、どうせ作るなら面白いものを作りたかった。

その一つとして格納庫を全開で見せることを思いつきました。

空母の格納庫は飛行甲板を付けるとほぼ全く見えなくなります。

スケルトン甲板という面白い商品もありますが、やはり現実的ではありません。

こうなるともう違和感なく格納庫を全見えするには・・・。

建造中か解体中しかなくなります。

幸い隼鷹は終戦まで生き残って戦後解体された事実があります。

「解体作業をジオラマ化しよう」・・・・コンセプトが定まりました。

そして製作が始まったのですが、結局キットで使用したのは船体だけ(笑)。

さらに舷側の突起物やモールドは全て削り取りツルツルの船体だけを利用しました。

スポンソンやブルワーク、艦橋、飛行甲板、格納庫などは全てプラバンからのスクラッチです。

またドック(船渠)もプラバンからの自作です。

クレーンや建屋群、そして作業員は「有限会社和巧」の紙創りシリーズを使用しました。

これは素晴らしい商品でした!

塗装についてですが、隼鷹は戦線を離れてから昭和21年6月の解体開始まで長期間雨ざらし状態で放置されました。

当然塗装は剥がれ、錆が浮き出てくると思います。

そういういわゆるガレ感を出すために汚し塗装はちょっと強めに施しました。

下地色はジャーマングレーで統一。そこにダークシーグレー、ダークアース、デザートイエローなどを重ね吹きして重厚感を出していきます。

解体による大量の瓦礫はキットの未使用部品をかき集めて山のように盛り上げました(笑)。

海面は例によって液体ゴムを使用しました。

ドックゲートの内と外で海面状態が違いますのでそこの表現には慎重になりました。

1/700の艦船模型は小学生の時以来の製作です。まあ、あの時は当然素組&無塗装でしたが・・・。

久しぶりの1/700製作で楽しかったです。

それでは完成画像をどうぞ。(クリックで大きな画像になります)

IMG_7840

IMG_7844

IMG_7845

IMG_7852

IMG_7853

IMG_7866

IMG_7867

IMG_7874

IMG_7886

IMG_7892



タミヤ 1/700 空母「隼鷹」のキットを使った解体作業ジオラマのほぼ全ての製作が終了しました。

次回は完成写真をどどーんと載せます!

作業の最後はタイトルプレートの製作です。

今回用意したのはコレ。
IMG_7685

以前一度使って気に入ったのでまた購入しましたよ。

このゴールドタイプが上品で好きなんですよ。

で・・・これを使って作ったのがこのタイトルプレートです。
IMG_7688

写真では分かりづらいですが、ゴールドですから渋く光って綺麗ですよ。

また極小の作業員も各所に配置しました。

これは煙突の撤去作業を見るためにゾロゾロと集まってきた作業員(笑)。
IMG_7695

艦橋上にもたくさん集まっていますよ。
IMG_7697

艦首ではしゃがんだり座ったり、四つんばいになったり忙しい作業員たちです。
IMG_7700

全体像はこんな感じに仕上げました。
IMG_7705

それでは次回の完成写真集をどうぞお楽しみに!

ちょいと所用が有り四国へ行っていました。

せっかくなので行きたかった「東山魁夷美術館」に行ってきました。
KIMG0125

劣等生でしたが自分は美術専攻だった頃もあって絵画鑑賞は大好きなのです。

東山魁夷(ひがしやまかいい)は昭和時代の画家ですが、本当に素晴らしい作品を数多く残されています。

じっくりアートの世界に浸ってきましたよ。

そして館内には海の見える喫茶店があります。
KIMG0122

瀬戸大橋が見えますねー。

美味しいコーヒーも頂いてきました。

皆さんも四国に行ったら是非いかがですか?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さて久しぶりに模型のレポートです。

和巧さんから作業員セットを購入しました。
IMG_7546

ち・・・・小さ過ぎて塗り分けとか無理!

それでも何とか少しだけ配置しました。

ちょうど巨大な煙突を撤去する作業を見守る作業員という設定です。

    画像クリックで大きくなりますよ。

IMG_7547

IMG_7553

IMG_7556

IMG_7557

作業員はまだまだ余っています(笑)。

さらに追加していきますよ。



今日は地元の明石商業が勝ちました~!

また、オリックスも1点差勝ち!!

非常にご機嫌なけんちっくです。



さて~、タミヤ 1/ 700 隼鷹 を使った解体ジオラマ自体は一段落となります。

IMG_7473

IMG_7474

IMG_7475

IMG_7476


あとはここに解体作業員のフィギュアを配置していく予定です。

フィギュアを使った作品はあまり経験がありませんので楽しみです。


さて記事タイトルにありますように、今回の作品名が決まりました。

作品名は   「落日の鷹」

この小さなスペースの中でその哀愁漂う隼鷹の最後の姿が再現出来ていれば嬉しいですね。

それでは次回はフィギュアを載せた完全な完成作品をアップしますのでお楽しみに!


↑このページのトップヘ